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オフショア開発はすでに主流の開発手法?コスト以外の注目ポイント

Web Factory 5月 8, 2022
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Web Factory MK 日本のBiz Dev担当、菅です。日本国内でのソフトウェアエンジニアの需要の高まりから、エンジニア不足の声を聞いて久しくなりますが、実際はどうなんでしょうか。今回の記事では、日本のIT業界におけるオフショア開発の立ち位置について、現状を踏まえてお伝えします。

なお高まるオフショア開発の需要

日本国内の4,000社を対象に、総務省が行った調査* によると、2008年度時点で既にほぼ半数の企業がオフショア開発を行っているか、もしくは導入予定でした。CAGR(年平均成長率)についてはいくつかの数字がありますが、低く見て3.8%で、IT市場の伸びとともに成長と試算しても2021年で既に日本の70%の企業がオフショア開発を行っており、今後も同じもしくはより高い成長率で推移していくと予測されます。
*出典: 総務省「オフショアリングの進展とその影響に 関する調査研究」

日本企業の70%がオフショア開発を採用しているこのデータから、幾つかの事実が見えてきますが、オフショア開発は一部の企業が採用する開発手法ではなく、もはや”利用して当然”な、メインストリームな開発手法と言えるでしょう。また、日本の主なオフショア開発拠点のアジア、ヨーロッパに加えて近年では中東・アフリカでもオフショア開発が始まっています。

変化するオフショア開発の目的

2000年代の初めにおいて、オフショア開発の目的は主にコスト削減でした。日本とオフショア開発地の賃金差を利用して、開発コストを削減する手法です。ただし、開発手法の進化、ネットワークやコミュニケーションの手段がオンライン会議やSlackなどのチャットに移行したこと、またGitHubなどでのソースコード管理が容易になったことにより、大手企業ではすでにアジア、ヨーロッパ、北米の開発拠点間で同時に開発する手法が当たり前になっています。つまり、コスト削減がオフショア開発の主目的であった時代は、すでに終わりを迎えていると言えます。

また、世界の拠点間で分散して同時に開発が行える環境により、社外にアウトソースする仕向地も、同じ国、同じ時間帯に限定される事も少なくなってきています。パンデミックにも関わらず世界のソフトウェア開発市場は伸び続けていること、日本のみならず世界での開発リソース不足は深刻になっていることから、オフショア開発市場でも、優秀なリソースは世界で獲得合戦となっています。

このような状況により、世界の主なオフショア開発地でのエンジニア単価は上昇**しており、オフショア開発の目的はコスト削減よりもリソース確保に変化しています。開発するソフトウェアやサービスにもよりますが、オフショア開発はソフトウェア開発において、優秀なリソースを確保するために不可欠な手法となっています。
**出典: オフショア開発.com 「オフショア開発白書2021」

オフショア開発パートナーを選ぶ際の注意点

もちろん、言語の壁などが他国に比べて顕在化しやすい日本においては、オフショア開発に不安や抵抗感を持たれる方も多いと思います。オフショア、ニアショア、また国内の全てのケースで重要となるのは、開発企業パートナー選びです。必要な技術力、経験、問題提起・解決、品質や開発期間、そしてコストなど多くの要素が重要となります。

オフショア開発企業の選択は、簡単ではありません。日本市場では多くの企業の評判や顧客との事例を参考に選ぶことも可能ですが、海外となると情報は限られ、また情報の信頼度も判断が必要となります。

国内でベンダーを選定する場合と同様、エンジニアのインタビュー、小さなプロジェクトを担当させて技術力やコミュニケーション、開発カルチャー(これ重要です)を見極めて本採用、という手法が近年よく採用されています。オフショアにも、まず第一に品質が求められる時代です。弊社Web Factory MKにご相談の際も、まずはご自身の目で技術力・コミュニケーションをご確認いただければと思います。

詳細は、Web Factory MKのサービス概要をご覧ください。
著者について
菅伸吾 スガ シンゴ
米国NDSU大学卒業後日本マイクロソフトにてプロダクトマネージャとして組み込み機器むけWindows製品を担当。Windows製品本部にて製品ローンチを経験後、インテル株式会社にて大手PCメーカーダイレクト営業、タブレットやモバイル機器の新規事業開発従事。2012年にApple Incに入社、iOSプロダクトマネージャとしてiPhoneのマーケティングをリード。AIスタートアップを経て2020年よりWeb Factory MKの営業統括及び開発をサポート。