Back Copy 3 back
image

メタバース体験をオフショア開発で最適化する方法

Web Factory 5月 8, 2022
share this on

Web Factory MK、BizDevの菅です。

2021年のメタバース体験とは?

FacebookがMetaに社名変更した事でも話題のメタバース。メタバースと言うと新しい技術と言葉に思えますが、「仮想空間」と言えばわかりやすいと思います。意味合いは現時点ではWiKiでの記載は「メタバースの本来の意味は、インターネット上に構築された仮想の三次元空間」ですが、立場により少々変わります。

関連する技術はものすごい勢いで進化していますし、NFTなどブロックチェーン技術を利用した取引なども含む、とこのブログでは前提とします。また、Oculusなどのヘッドセットを使用したメタバース空間は少しユーザーシナリオが変わってきますので、より普及が見込まれているブラウザ上でのメタバース体験についてお話をします。

メタバースがより身近な技術に

メタバース空間は2000年代にSECOND LIFEなどでもありましたが、2021年の今と何が違うかのでしょうか。主に以下の進化が重要です。

  • ハードウェア (特に画像処理)の進化
  • 通信環境の進化
  • 特定の目的をデザインしたユーザー体験の進化
  • NFTなど暗号エコシステム(Crypto Ecosystem)の普及

ハードウェアの進化は言うまでもなくムーアの法則通りCPUもグラフィクも性能が飛躍的に上昇をしており、2019~2020年ごろに発売されたデスクトップPCレベルの処理能力と最新のiPhone 13では同等の性能、ベンチマーク項目によってはiPhone 13が超えています。

また、通信環境もADSLや2G・3Gから現状の5Gではスピードも反応速度 (レイテンシー)は隔世の感があり、また家庭内でのWiFi環境も802.11bから11n, WiFi6も普通に採用されています。そしてメタバース空間を開発する事自体が目的だった頃とは違ってライブ、ファッション、オフィススペースなど、特定の目的をデザインしてユーザー体験を最適化したサービスが既にリリースされ始めてユーザーからの声を元に開発が進んでいます。

例えばマイクロソフトはメタバース空間での共同作業をパワーポイントやエクセルで実現しており、ビデオ会議と共同編集するレベルとはまた違った世界と体験を提供しています。ファンの動き、アーチストのダンスムーブメントなどもメタバースでしか実現できない体験が素晴らしくデザインされています。

音楽シーンではTwenty One Pilotsがメタバース空間でファンも参加し、またアーチストも動きをキャプチャするスーツを着て演奏をするのでメタバース空間でもリアルタイムにダンスや演奏を表現しています。またCrypto Ecosytemと呼ばれるブロックチェーン技術を利用したイーサリアムやNEMなどのデジタルアートの売買を担保するNFTによるアーチストのデジタルアイテムも売買可能で、イギリス大手オークションクリスティーズなどでも始まっています。

またファッションにおいてもユーザーのアバターに3Dで表現したアイテムを試着させて楽しめるサービスなどが始まっています。

これらメタバースを開発するプラットフォームはUnityやUnrealなど3Dゲーム開発ではデフォルトになっている開発環境です。みなさんがスマートフォンで遊ぶ3D、2.5D (どう森など)はほぼ全てUnityかUnrealで開発されています。

特定のハードウェアが不要なメタバース体験

ハードウェア、ソフトウェア、そして通信環境が飛躍的に進化した2021年では以前のように
ハードウェアのローカルにアプリケーションをインストールしてローカルのハードウェアでの処理をする方式からサーバー側で3Dのレンダリング処理を行い、デバイスのブラウザでピクセル処理を行う方式に移行しつつあります。これはUnityではFusionサーバーと呼んでおり、Unityが3Dストリーミング配信について記事を書いています。

簡単に言うと3Dメタバース空間を特定のハードウェアやアプリを必要とせず、ブラウザ上でスマートフォン、PCなど多くのデバイスで楽しめると言うことになります。

ゲーム開発はヨーロッパで行われる理由

ゲーム開発については北米、ヨーロッパ、そして日本が主要な開発国となりますが、ヨーロッパの地域によっては北米、西ヨーロッパ大手企業のオフショア開発として利用されており、多くのUnityやUnrealの開発者が育っており、また開発ノウハウの蓄積がされています。また、メタバース空間開発に欠かせない3Dモデラーについてもヨーロッパ市場に多く存在し、北米や西ヨーロッパの大手の開発を請け負い技術力もデザイン力も優れています。

つい最近Facebook (改めMeta) がヨーロッパでMetaverseエンジニアを12,000人雇用するとも発表しています。これはそれだけ多くのUnity/Unrealのエンジニアがいる一つの証です。

上記についてはこちら「オフショア開発拠点としてIT大手が投資するヨーロッパ」で書いています。

UnityやUnreal以外でも開発はもちろん可能ですが、開発に必要なライブラリや基礎となるような3Dモデル、購入可能な3Dモデルなどが多く揃うのはUnityやUnrealなので、現状では開発コストや時間を考えるとUnityかUnrealの選択になります。

Web Factory MKはヨーロッパに開発拠点を置いており、Unity、Unreal、WebGLなどの優秀な開発スタッフが正社員として在籍しており、デモンストレーションも提供しています。

期間限定で3Dサーバーレンダリング技術を用いたUnrealでのデモはこちらで体験いただけます
https://portal.furioos.com/share/258.647

自社のサービスにどのようにメタバースが展開可能か、一度お話をしませんか。

著者について

菅伸吾 スガ シンゴ

米国NDSU大学卒業後日本マイクロソフトにてプロダクトマネージャとして組み込み機器むけWindows製品を担当。Windows製品本部にて製品ローンチを経験後、インテル株式会社にて大手PCメーカーダイレクト営業、タブレットやモバイル機器の新規事業開発従事。2012年にApple Incに入社、iOSプロダクトマネージャとしてiPhoneのマーケティングをリード。AIスタートアップを経て2020年よりWeb Factory MKの営業統括及び開発をサポート。